読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

伊和辞典、または初の学習辞典

イタリア語の辞書、借りていた妻の辞書は40年も前のもので(初版は53年前)、訳語も古く、載ってない種類の語も多い。

例えばcellulareを引くと、「細胞の」という形容詞と、「独房」などの名詞が出てくる。

しかし現在この語は、ほぼ「携帯電話」の意味でつかわれる。

妻の辞書が出た頃に、携帯電話もインターネットもPCもEメイルも無かった。

古いからというよりも、教室に持参するのにもう少し軽い小辞典が欲しいと思い、いくつか書店で見てみた。

弱小言語の悲しさで、比較的新しい編集の小辞典は、たった2種類しかなかったのだが、どちらも悪くはない。(字が小さいが)

迷いながらネットの検索をして、いろいろ評判など読んでいたら、「学習辞典として初めて、白水社から『プリーモ』という伊和(和伊付き)辞典が出ている(2011年刊)」、ということが分かった。

説明を読んでみると、プリーモ(第1の、最初の)という名前だけに、初学者でも使いやすい工夫がいろいろだ。

●たとえば発音がカタカナで出ている。アクセントはゴチック表示。 →(イタリア語の発音は規則的で綴りからほぼ分かるので、普通の伊和辞典には発音は出ていない。)

●語の複数形、女性形など、詳しく記載されている。→(普通は規則的なので、いちいち載せない)

●語の用法について、細かく書かれている。(名詞の前から修飾するとか、動詞の前に置くとか)

●重要動詞には現在形も表記。→(普通は原形のみ)

●動詞の活用形の番号が表記され、後ろの表で確認できる。

●熟語には、多くが訳語の前に直訳が出ていて、由来が分かるようになっている。→(「カードをテーブルに置く」→「手の内を明かす」)

●固有名詞もたくさん掲載されている。(コレッリは、作曲家だけでなく歌手のフランココレッリも。指揮者のアッバード、バリトンのエットレ・バスティアニーニも)

●語の近くに、図も豊富に載っている。

などなど。

結局は妻の『新伊和辞典』(白水社/1964年初版)よりも一回り大きく重くなったが、教室にはリュックを背負って行けばいい。

持ち歩きの苦労よりも、日常の学習が格段に楽になったことは、じつに有難い。

学習者のあまり多くない言語は、こうした書籍の点数も少なく、値段も高い。(ジュンク堂でイタリア語の棚はスペイン語の棚の半分だった!)

仕方ないことかもしれないが、しかし学習者の少ない言語ならなおさら、初学者向けの辞書が必要なのではないか。